実は「R」より難しい!?IPA(国際発音記号)「L」の発音を解剖学、ボイトレで鍛える!! 

発音 pronunciation

今回の記事では、実は「R」より難しい「L」のIPAについて紹介します。 

解剖学(口腔内断面図)を用いて、発声学の観点から詳しく説明します。また、「L」の発音を「R」と混合しないようにするためのトレーニングも紹介します。最後まで見ていただければ、IPA「L」の発音が向上すること間違いなしです。 

1.日本語の「L」、「R」 

はじめに、日本語の「L」、「R」について解説します。 

①ラ行の言葉はほとんど「R」かそれに類似する音である 

②「L」は限定的にしか使われない 

この2点が日本語における「L」「R」の特徴になります。 

まず、①ラ行の言葉はほとんど「R」かそれに類似する音である 

についてです。 

一例として、「ラーメン」の発音を取り上げます。「ラーメン」と発音する時、舌が前歯裏の歯茎にあたるのがわかりますか?「D」の発音とほとんど同じ位置(歯茎)に触れた後、舌を軽く巻く感覚があると思います。正確に言うと、これはIPAの「R」の音ではないのですが、僕の経験上これでも十分「R」として通じます。 

次に、②「L」は限定的にしか使われない 

についてです。 

使われる場面を挙げるとすれば、「ん」に続く音で「L」が使われるくらいです。一度「権利」を発音してみてください。この「り」の発音が、IPA「L」の正確な音になります。 

2.日本人がやりがちな英語の「L」、「R」の混同 

ここでは、IPA「L」、「R」の発音について、日本人がやりがちなミスを紹介します。先述の通り、日本人は「R」を多用しています。そのため、「L」の代わりに「R」の発音を使ってしまうことがよくあります。特に、「R」と「L」が並んでいる時(rarelyなど)や早く話そうとする時によく起こります。僕自身も、語学学校のスピーキングテストで指摘されたことがあります。それくらい、「L」と「R」の混同は日本人あるあるなのです。 

3.「L」の発音を鍛える!おすすめの練習方法 

最後に、日本人が苦手な「L」の発音を向上する練習を紹介します。解剖学、発声学の観点から考案した練習になります。実際の練習方法もリンクに貼っておくので、参考にして下さい! 

①「L」の音の出方を、口腔内の解剖学で理解する 

②呼気の通り道を確認し、そのまま声帯振動を加える 

③単語によって変わる?「L」の発音を単語ごとに練習 

順番に解説します。 

まず、①についてです。 

ここでは、IPA「L」の音を、解剖学を用いて解説します。「L」の音は、 

頬を通る息と声帯の振動音(側面接近音もしくは側音) 

と定義されます。 

舌先を歯茎につけた状態で息を吐くと、口腔内の両サイドを通って息が出ると思います。ここに声帯の振動、つまり声を鳴らすと「L」の発音が完成します。 

「R」の発音は、舌先が硬口蓋と軟口蓋の間あたりにつく音なので、全く息の出る位置が違うことがわかると思います。 

舌が上前歯裏の歯茎についた状態で
横から空気が通る

続いて、②についてです。 

ここでは、「L」単体の発音を練習します。先ほども説明しましたが、「L」は頬の内側を通る息が肝になります。そのため、まずは息が両頬の内側を通る感覚を身につけてもらいます。舌先を前歯の歯茎につけて息を吐いてください。この時歯茎の間から音が出ると「S」の音になるので注意です。頬の内側に空気が通っていることを確認したら、声を出してみてください。これが、「L」の音になります! 

最後に、③について紹介します。 

よく「ダークL」とか「ライトL」と聞くと思います。実は、この現象は以前紹介した母音に関連して起こります。ダークLは、暗い音。ライトLは、明るい音と説明されていますが、Lの前にある母音の種類で分かれているだけです! 

「L」の音は口の形が決まっている音ではないので、こういった変化が見られます「pull」と「illness」と交互に言ってもらうとわかりやすいかもしれません。前者は後舌音、すなわち奥まった音になるためダーク。後者は前舌音で、口腔内の前の音になるのでライトという区別になります。 

他にも色々な単語で一つ一つ練習してみてください! 

まとめ 

1.日本語における「L」と「R」 

  • 日本語のラ行はほとんど「R」に近い音 
  • 「L」は限定的にしか使われない 
  • 例:「権利」の「り」がIPA「L」に近い 

2.日本人がやりがちな混同 

  • 日本人は「R」を多用するため「L」と混同しやすい 
  • 「R」と「L」が並ぶ単語(例:rarely)で特に間違えやすい 
  • 速く話すときに誤用しやすい 

3.「L」の発音を鍛える練習方法 

  • 解剖学的理解 
  • 舌先を歯茎につけ、息が両頬の内側を通る感覚を意識 
  • 息に声帯の振動を加えることで「L」が完成 
  • 単体練習 
  • 息が前に抜けて「S」にならないよう注意 
  • 単語練習 
  • 「pull」=ダークL(奥まった音、暗い響き) 
  • 「illness」=ライトL(前舌音、明るい響き) 
  • 単語をペアで練習すると違いが分かりやすい 

「L」と「R」は発音位置も息の流れも全く違う音であることがわかったと思います。口腔構造と息の流れを理解し、単語ごとに練習することが上達の近道です!コツコツと積み重ねていきましょう!

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記事作成者
englishnerduk

2023年ワーキングホリデーでトロントに8ヶ月滞在。その後2025年にバンクーバーでビジネス英語を学ぶ。帰国後、解剖学・発声学の観点から伝わる発音を身につけるためのブログを発信

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