
英会話をこれから始めたい方に向けた発音向上ブログ。今日紹介する発音は、母音です。
英会話をスムーズに行う上で重要な要素の一つが発音です。特に母音の発音は日本語の母音と比べるとかなり複雑です。そのため日本語と英語における発音の違いについて、IPA(国際発音記号)を用いて理解すると、英語によるコミュニケーションがよりスムーズになりますよ。
今回のブログでは、日本語と英語の母音の発音の違いについて解剖学(口腔内断面図)、発声学の観点から解説します。発音が良くなる練習も紹介するので、みなさんの発音向上に役立つこと間違いなしです!
それでは早速やっていきましょう!
1.日本語の母音の発音について
初めに、日本語の母音について理解を深めていきましょう。
日本語の母音は、二つの特徴があることを覚えておいてください。
①あ、い、う、え、おと5種類しかない(厳密に言うと音の区別をしていない)
②音を出す位置は特に区別しない
です。
まずは、一つ目の母音の種類についてです。
結論から言うと、使っている母音の種類が違います。
日本人は意識しなくても発音できるので考えたことはないと思いますが、僕たちも無意識に音の区別をしています。しかし、日本語は母音の区別が英語などの言語よりも厳しくないことが特徴としてあるので、母音の発音が難しいと感じる方が多いのだと思います。
二つ目の音を出す位置についてです。
母音に関しては、音を出す位置が口の中で変わったり、口の開き具合などで若干変わります。しかし、日本語話者は「あ」の音の出る位置、口の開き具合などを区別しないです。そのため、英語のような口の前部から後部まで使って発音する言語が苦手なのだと感じます。
2.英語の母音の発音について
次に紹介するのは、英語の母音の特徴についてです。今回は、僕の考える特徴を2点ピックアップします。
①母音の区別が日本語より多い
②音を出す位置の幅広さ
順番に解説します。
初めに、母音の区別が多いに関して説明します。
例を一つ挙げるとすると「あ」の発音が分かりやすいです。IPA発音記号で英語の「あ」の母音を表現すると5つほどあります。これはよく巷で聞くのではないでしょうか?「あ」に限らず、他の母音にも区別があります。
次に、音を出す位置の幅広さについて説明します。
英語の母音は、口の中の前部と後部で作る音がほとんどです。口腔内断面図を見てみると、さまざまなIPAがあることがわかります。よく日本人は英語のアクセントが強いと言われます。音の区別をしない言語文化が影響し、普段使っていない場所で発音できないので、俗に言うJapaglish(日本語英語)になるのかもしれませんね。
3.母音の発音が向上するためのコツ3選
留学後半年で英語の発音が改善したとネイティブから褒められたUKが考える。母音の発音が上手くなるための練習を紹介します。ボイストレーニングを通じて得られた発声の知識を織り込んだ内容になりますので、ぜひ参考にしてください!
①前舌発声
②後舌発声
③歌唱のミドルボイス(あいまい母音)
順番に解説します!
①前舌発声
前舌発声は、簡潔に言うと口の前で作る音です。「あ、え、い」の母音は、前舌で作られており、口の開き具合で音が変化していきます。僕の個人的なイメージですが、前舌の母音は歯のあたりで音が響いているという印象がありますね。そのイメージで音を出しながら、「い」から「あ」に口を開いてみてください。そうすると、図の発音記号が発音できます。
②後舌発声
後舌発声は、反対に口の後ろで作る音です。「あ、う、お」の母音が、後舌で作られる音になります。後舌の発音では、軟口蓋(舌で上歯茎から奥へなぞって柔らかいところ)と舌の後ろ側で音が響いている感覚になります。
③歌唱のミドルボイス(あいまい母音)
最後は、曖昧母音(schwa)についてです。これは練習というより、コツになります。みなさんはカラオケで歌う時、高音域の声を出すことがあると思います。歌が上手い人になると、低音域と高音域の間の音(ミドルボイス)を出すことができます。このミドルボイスで歌う際、発声学から見ると「口に力が入っていない」になります。
勘の鋭い方は察したかと思います。曖昧母音も口の力みがない状態で発音される音ですよね。発声学やボイストレーニングでは、その母音の通りに発音することより、多少発音を崩してミドルボイスを出せるようにするのが一般的です。そのため、高音域になると曖昧母音が使われることが多いのだと思います。
まとめ
今回は、日本語と英語における母音の違いを発声学、解剖学の観点から解説しました。口の中の動きや音の出る位置、種類を理解できると、どんなふうに発音するのかイメージができるようになります。
また、最後に紹介した練習方法をコツコツと積み上げて、日本人訛りの少ない英語を目指してみてください!!
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